ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

社会学

橋爪大三郎『面白くて眠れなくなる社会学』_感想

面白くて眠れなくなる社会学 作者:橋爪大三郎 PHP研究所 Amazon 学校では習わない社会学という学問 本書の題名が「面白くて眠れなくなる社会学」となっているので、少し誤解を招きそうですが、英語のタイトルは「Sociology For Young Adults」でこちらの方が…

鷲田清一『わかりやすいは わかりにくい?臨床哲学講座』_感想

わかりやすいはわかりにくい? 臨床哲学講座 (ちくま新書 832) 作者:鷲田 清一 筑摩書房 Amazon よくわからないことを少しずつ考えてみる 著者は臨床哲学として、対話の中から人々と一緒に考えていく哲学の第一人者。著者の書籍はどれも読みやすく、面白いと…

今井芳昭『影響力 その効果と威力』_感想

影響力~その効果と威力~ (光文社新書) 作者:今井 芳昭 光文社 Amazon 身近にある様々な影響力 私たちの社会は人と人との関わりあいの中で成り立っており、常に他の人から影響を受けながら自分というものが存在しています。本書は、影響力がある、というの…

マシュー・サイド『多様性の科学』_感想

多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織 作者:マシュー・サイド ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon 多様性のもつ力とは 多様性という言葉が広く使われるようになったのは最近のことだと思います。これまで多様性といえば…

平田オリザ『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』_感想

わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) 作者:平田オリザ 講談社 Amazon 伝えたい、という気持ち 著者は国際的に活躍されている劇作家、演出家として有名ですが、実は相当な教育者でもあります。本書にも登場しますが、日…

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』_感想

予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 増補版 作者:ダン アリエリー 早川書房 Amazon とにかく面白い行動経済学 真剣に考えて、もっとも自分の希望に合ったものを選んでいるはずなのに…結果を見ると、なぜか不合理な選択をして…

土井健郎・斎藤孝『「甘え」と日本人』_感想

「甘え」と日本人 (角川oneテーマ21) 作者:齋藤 孝,土居 健郎 KADOKAWA Amazon 「甘える」ということの難しさ 英語には「甘え」という言葉がないそうです。欧米は愛情表現が豊かで、子どもは親に安心して甘えていて、夫婦はお互いに愛し合って信頼しあってい…

池田清彦他『親ガチャという病』_感想

親ガチャという病 (宝島社新書) 作者:池田清彦,中島義道,和田秀樹,室井佑月,森達也,香山リカ,土井隆義 宝島社 Amazon 親ガチャという病 親ガチャというと、どこか諦めモードな響きがありますよね。本書では7人の識者が、それぞれの立場から見た令和の日本に…

廣中直行・遠藤智樹『「ヤミツキ」の力』_感想

「ヤミツキ」の力 (光文社新書) 作者:廣中 直行,遠藤 智樹 光文社 Amazon ハマる幸せ! 「やみつき」とは、もともと病んで床につく重症の病気状態を表す言葉だそうですが、現代で「ヤミツキ」と言えば、何かに夢中になって毎日繰り返してしまうようなハマる…

石黒 浩『ロボットと人間 人とは何か』_感想

ロボットと人間 人とは何か (岩波新書 新赤版 1901) 作者:石黒 浩 岩波書店 Amazon ロボット研究を通して人間を知る 著者は、自身をモデルにしたアンドロイドを製作したことで一躍有名になられた方です。ロボット研究の世界的第一人者ですね。本書を読むと、…

山竹伸二『ひとはなぜ「認められたいのか」ー承認不安を生きる知恵』_感想

ひとはなぜ「認められたい」のか ──承認不安を生きる知恵 (ちくま新書) 作者:山竹伸二 筑摩書房 Amazon 自由という不自由 自由に生きられるはずなのにかえって自由に行動できない現代社会。何者になってもいいという「自由」が与えられれば与えられるほど「…

橋本之克『世界最前線の研究でわかる!スゴい!行動経済学』_感想

世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学 作者:橋本 之克 総合法令出版 Amazon 自分で最適の選択をしているつもりだったんだけど 本書は、「行動経済学」という「心理学」と「経済学」を合わせた比較的新しい学問について、身近な例をもとに分かりやす…

玉樹真一郎『「ついやってしまう」体験の作り方 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』_感想

「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ 作者:玉樹 真一郎 ダイヤモンド社 Amazon そっか、ゲームの面白さってこういうことね 著者は任天堂でWiiの企画開発に関わった方で、人はなぜゲームに夢中になってしまうのか…

ケヴィン・ケリー『5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる』_感想

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる(世界の知性シリーズ) (PHP新書) 作者:ケヴィン・ケリー PHP研究所 Amazon 「ビジョナリー(予見者)」。本書の著者、ケヴィン・ケリーはしばしばこう称される。テック文化を牽引する雑誌・米…

デイヴィッド・イーグルマン『あなたの知らない脳 意識は傍観者である』_感想

あなたの知らない脳 意識は傍観者である (ハヤカワ文庫NF) 作者:デイヴィッド イーグルマン 早川書房 Amazon 私たちの行動をコントロールしているのは「自分の意識」ではなかった! 例えば衝突の危険をはっきり認識する前に、足は車のブレーキを踏んでいる。…

岡嶋 裕史『メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~』_感想

メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~ (光文社新書) 作者:岡嶋 裕史 光文社 Amazon フェイスブック社が社名を「Meta」に変更すると発表した。「Meta」とは「Metaverse=メタバース」の「Meta」である。では「メタバース」とは何か? ITに関す…

松尾 豊『人工知能は人間を超えるか』_感想

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書) 作者:松尾 豊 KADOKAWA Amazon グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能…

橘玲『無理ゲー社会』_感想

無理ゲー社会(小学館新書) 作者:橘玲 小学館 Amazon きらびやかな世界のなかで、「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲーム(無理ゲー)をたった一人で攻略しなければならない。これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルー…

リンダ・グラットン他『ライフシフト‐100年時代の人生戦略』_感想

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 作者:リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット 東洋経済新報社 Amazon 長ーい人生を生きるために 2016年に発刊されて以来ベストセラーになっている書籍ですが、ようやくじっくりと読むこと…

山極寿一『ゴリラからの警告 人間社会ここがおかしい』_感想

ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」 (毎日新聞出版) 作者:山極 寿一 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 人間も自然の一部 著者はゴリラ研究の第1人者で、京都大学の総長をされていました。 ゴリラやチンパンジーなどの類人猿と人間の共通点や違…