ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

西岡壱誠・中山芳一『東大メンタル「ドラゴン桜」に学ぶやりたくないことでも結果を出す技術』_感想

 

マインドを変えれば、地頭力も上がる!
偏差値35から東大合格して、
ドラゴン桜2』の編集担当になった僕が、
東大生に学んだメンタル・テクニック。

認知能力 ⇔ 非認知能力

本書は現役東大生の西岡氏が自身の経験を通して「東大に合格できるくらい頭がいい」というのは実際はどういうことなのかが、分かりやすく書かれています。また、教育プログラムの研究者である中山氏は、テストなどで客観的に測ることができない自制心や忍耐力、向上心などの「非認知能力」が、いわゆる学習能力である「認知能力」と密接にかかわっている点を説明しています。

先天的に頭の良い人というのはいなくて(もちろん天才といわれる方は存在しますが、頭が良いのとは少し違いますね)、東大に合格するような学生も、実際は非認知能力(主体性・メタ認知・モチベーション・戦略性)が高いため、自分で目標を定めて自己分析をしながら自身をコントロールすることができ、結果として東大に合格できるレベルまで学習を続けることができる、ということです。

主体的に学ぶとは

昨今の義務教育の学習指導要領では「主体的で深い学び」というフレーズがどの科目にも登場します。お子様の通知表の評価項目も「主体的に学ぶことができる…〇△」というような評価になっていると思います。

なんとなくですが、これは今までの学習が教師から生徒への指導的・受動的であったことを反省しているように感じてしまうのですが、今の教育現場では「自分で考えて、自分の言葉で相手に伝えて、相手の意見を聞いて、自分の考えを深める」という学び方を重視しているようです。GIGAスクール構想として始まったタブレット端末などのICTを活用した授業スタイルも、一方的に知識を享受するのではなく、自分の考えを発信する学習として授業を変えていくことに主眼がおかれる必要があると思います。

では、主体的に学ぶとは、どういうことか。という点ですが、本書では、まず学習に取り組むためのマインドとして「やりたくないことに主体的に取り組むための目標を持つこと」が第一歩だと書いています。普通に考えると勉強は楽しいものではありませんが、学習した知識が実生活の中で役に立ったり、さらに興味や関心を深めてくれるものになれば、学習に面白みを感じられるようになり、自分からどんどん勉強できるようになれると筆者はいいます。そして自分の獲得した知識を使えるようになること、これが「主体的で深い学び」の求めるものではないかと思います。

マイナス思考とプラス思考

また、モチベーションの維持として、プラス思考とマイナス思考の両方が大切だとあります。楽観的にまだ大丈夫という気持ちと、もうダメかもしれないという気持ちが両方あるからこそ、私たちは期限内に仕事ができたり、失敗しないように前もって準備ができたり、初めてのことに挑戦できたりするようです。仕事でも、いけるかもしれない、だめかもしれない、というハラハラ感があるとき、充実してるなと感じますものね。自分の中で上手くバランスさせることが重要なのだと思います。

本書では、要所要所にドラゴン桜の漫画が引用されていて、できれば、これから受験する高校生に読んでほしい内容だな、と思いました。本書を読むと勉強するということの認識が変わるように思います。もしかしたら、自分も東大を受験できるのではないか、と思えてくる書籍でした。(時すでに遅すぎですが…)

 

2022年2月13日 読了