ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

片山俊大『秒速でわかる!宇宙ビジネス』_感想

 

サクッと読める宇宙ビジネスのあれこれ

昨今の宇宙を取り巻く状況がイラスト入りでわかりやすく書かれた良書です。

多分、1時間ほどでサクサクと読めますね。

昨年末にゾゾタウン創始者の前澤氏が宇宙に飛び立って、宇宙からお金を配ってましたよね。私も300円をいただきました。あれを見て、お金を持て余してるから、ついに宇宙に行くのか、くらいにしか思っていませんでしたが、本書を読んで認識が180度変わりました。これからのビジネスの熱い分野が宇宙だからこそ、世界の大富豪が宇宙に飛び立ち、自らを広告塔にしてビジネスの裾野をどんどん広げていこうとしているのだと気づきました。もう経済成長のためには地球は狭すぎるようです。

人工衛星でビックデータを集める

生活に不可欠になったGPSも、BSやCSの放送も、すべては人工衛星の仕業です。もともとは軍事利用を目的にロシアとアメリカが競争する形で開発が進められてきた宇宙技術ですが、現在では、人工衛星などの近くの宇宙は民間に、惑星探索など遠くの宇宙は国営で、という流れになり、様々なビジネスチャンスが到来しています。

人工衛星により全方向から地球の様々なデータを集めることができ、それらのビックデータをAIが解析することで、これまでにないサービスが登場する可能性もあります。イーロン・マスクやジェフ・ベソスなどのIT富豪がいちはやく宇宙ビジネスに投資する理由が良くわかりました!

宇宙経由でパリに行く?

ロケットを使って、宇宙空間を経由した移動が可能になれば、東京ーパリ間は40分ほどで行けるらしく、まずは交通手段としての宇宙空間の利用に大きな期待が持てますね。そして、すでにもう、宇宙飛行機やロケットが発着する宇宙港の建設が世界各地で進められているようです。なんてことでしょう。

さらには宇宙エレベーターという嘘のようなアイデアも真剣に研究されているようです。もうロッケトを飛ばさなくても宇宙に行けちゃいますね。

未来への投資となるか

本書の中ではコラムに宇宙投資家や宇宙弁護士、宇宙事業プロデューサーなど変わった職業の方が登場します。宇宙に関する仕事がどんどん増えてきており、宇宙ベンチャーもたくさん生まれているようです。閉塞感のあるビジネス社会の中でこれはすごいことだと思います。こうした宇宙の研究や新しい技術が他の分野でも生かされて、限りある地球資源を見直すための投資になれば素晴らしいと思いました。

宇宙から地球を眺める日が来るのかもしれないですね。

 

2022年2月19日 読了