まさに今、知っておくべき世界地図!
なにげなく手に取って、読むというよりは眺める感じで読み始めた本書ですが、その内容はとても濃くて有用でした。まさに、今、知っておくべきテクノロジーの世界情勢が一目でわかる情報が満載です。
テクノロジー、つまり最近のAIやIoTを活用したビジネス分野で成功しているスタートアップ企業と、それらに投資するエンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどの勢力構造がよくわかります。
そして、本書を読まなくても明白なことではありますが、日本という場所は、そういった新しいビジネスが生まれるには全く適さない国だということを痛いほど痛感しました。
なんだかワクワクしてくる
IT系のスタートアップが最も多いのはシリコンバレーを擁するアメリカ、続いて国策としてITに力を入れる中国です。この2つの国で成功しているベンチャーのビジネスモデルを知っておくだけでも、これから就職や起業を考える方にとっては非常に有益な情報だと思います。もちろん、そういったITサービスのユーザーである私たちも、どのようなテクノロジーが、どんな人たちによって、どのようにビジネスとして売られているのかを正しく知っておくことは、とても重要だと思います。
なにしろ、私たちはもうアマゾンやアップルなしでは生きていけませんし、知らないところでベンチャー企業の開発した新しいテクノロジーの恩恵を受けているわけですから。
本書を読み進めるうちに、すごーいとか、なるほどーとか、そういう感想しか出てこなくなります。なるほど、こうやってベンチャーは資金を集めて、会社を大きくするのか、なるほど、この投資家がこのベンチャーに投資するのは、こういう理由があるからなのか、などなど、自分とはかなり遠い世界のことですが、なんだかワクワクしてくるのが不思議です。日本の経済を見ていても味わえない感覚だと思います。
できることなら我が国にも
日本でIT系の企業が育たないのは色々な理由があると思いますし、国もようやく理系人間を育てなくてはいけないという危機感をもって、高校では情報処理という科目が必修化されるようですが、そういった人材育成も大切ですが、まず取り組むべきは日本の法律の見直しだと、本書を読んで強く感じました。
ですので、必要なのは理系人間の前に、法律に明るい方々、そして法律を速やかにより良いものに変えていける優秀な官僚ではないかと思います。正しく言葉を扱える人がいつの時代も重要なのは変わらないですね。
ぜひ、今のテクノロジーの世界感を知っていただきたい、お勧めの書籍です。
おしゃれな横向きなのでちょっと読みづらいのが難点でした。笑
2022年3月27日 読了