ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

川嶋 朗『ボケたくなければカレーを食べなさい』_感想

 

今夜はカレーかな

最近、体調を壊すことが続いたからか、単に歳をとってきたからか分かりませんが、健康に関する本を定期的に読んでいます。

この本はタイトルの通りではありますが、なかなか勉強になる内容で、今後の生活をちょっと考えてみるきっかけになりました。認知症アルツハイマー発症のメカニズムから、東洋医学と西洋医学の違い、カレーに含まれる香辛料の効能まで、読んでると妙にカレーが食べたくなるから不思議です。

本全体も黄色いですし。

生活に取り入れたい東洋医学

医食同源という言葉がありますが、西洋医学では病気と診察されない、なんとなくだるいとか、なんとなく不調とかいう症状も「未病」として治療の対象だと考えるのが東洋医学の考え方です。

なかでも、筆者が研究されているのは統合医療という概念。これは病気の原因を改善するだけではなく、その人が、どのように生きたいのか、どのような生活を望むのかというところまでを含めて治療方針を患者さんと一緒に決めていくやり方のようです。

東洋医学では、人それぞれの体質や特徴の延長線上に病気が発生すると考えられており、人の体は「気・血・水」の巡りによってできているというのもの。これらの巡りが悪くなったり滞ったりすることで、なんとなく不調が現れるというもの。それは体だけではなくてメンタル面も同じなようです。そして、巡りを悪くする最大の原因が「冷え」なのだそうです。

カレーは、食べたら熱くなるホットフード。冷えに効くから、とりあえずカレーを食べなさい、ということですね。

香辛料は心のスパイスにも

カレーにはクミンやアニス、ウコン、胡椒にショウガ、タイムや唐辛子、ニンニクなど、たくさんのスパイスが含まれており、これらが抗菌作用や整腸作用をもつだけでなく、そのピリッとした旨味が体を芯から温めてくれます。不思議なことに、カレーのスパイシーな香りを嗅ぐと、もうカレー以外は考えられないくらいカレーの口になってしまいますよね。おなかがキュっとスパイスに鷲掴みにされるような感じです。実際にカレーを主食とするインドでは認知症の発症が低いそうです。体を温めることで脳内の血流も良くなり、認知症の原因と考えられている生活習慣病を予防し脳内物質ベータアミロイドの発生を抑える効果があるというわけです。

また、食事のほかにもお風呂にゆっくりつかるとか、寝る前にはスマホを見ないとか、心と体を直接的にあるいは間接的に温めることの重要性が書かれています。とにかく、現代人は忙しく、冷えやすいと。ゆったりと食事をしたり、入浴したり、散歩などの有酸素運動をしたりする時間が、何よりも病気の予防には必要なのだと思いました。

また、印象的だったのは、心の冷えを放置しない。ということ。

知らず知らずストレスが溜まっていたり、仕事が上手くいかなかったり、家族関係が不仲だったりと、こころの冷えを残してしまいがちですが、これも誰かに話を聞いてもらうとか、なんなら一人でダラダラと漫画を読むとか、おいしい食事と適度なアルコールでリセットするとか、心が喜ぶことを積極的に取り入れて、自分で自分の心を温めることも大切だと思いました。

香辛料の効いたつまみがあれば、なおよろし。ですね。

今夜はポカポカお風呂に美味しいごはん(やっぱりカレーなのか?)でリフレッシュしたいと思います。

 

2022年9月10日 読了