ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

関屋裕希『感情の問題地図~「で、どう整える?」ストレスだらけ、モヤモヤばかりの仕事の心理』_感想

 

日曜日の夕方に読んでおこう

仕事にストレスはつきものですね。気が付いたら、気分が落ち込んでいることがしばしばあります。大抵は、食べて寝たらスッキリするのですが、時々、何日も不安が消えないとか、理不尽な気持ちが収まらないとか、そういうときもあります。それが誰かのせいにできることなら良いのですが、部下や上司を心の中で責めたとしても、結局、自分以外の人間は変えられないので、仕事はいつまでも片付かないし、モヤモヤした気分もなくならないし…

本書は、「あー。月曜日が憂鬱だ。」と思ってしまう日曜日の夕方にさらっと読むのに向いていると思います。本当に、さらっと読めてしまいますので、けだるい昼下がりにビール片手にパラパラと読んでしまいました。

ネガティブな感情のオンパレード

本書で取り上げているのは、怒り、悲しみ、落ち込み、不安の4つの感情。それぞれの感情について、その感情が湧いてくる理由と対処法が分かりやすく書かれています。

対処法と言っても、受け流すとか視点を変えるとか、そういう感じで全く難しくないので明日からでも取り入れられそうな気分になります。その中で、私が、最近の自分事として気になっている「不安」の章について、少しご紹介したいと思います。

なぜ人は不安になるのか。ずばり、「わからないから」に尽きます。

これまで経験したことがない事、予測ができない事、自信がない事などに直面すると、急に不安の感情が湧いてきて、心臓がドキドキしてしまいますよね。この感情を感じてしまうのは、「失敗しないように上手くやりたい」という気持ちがあるためで、私たちは不安があるおかげで物事をスムーズにこなせている面もあるようです。

分解して俯瞰すればネガティブな感情は味方にできる

さて、その対処法として、まず「わからない」ことを分解してみること。何がわからないのかが、わからない。という時がありますが、そうなると一歩も前に進めなくなってしまいます。まずは「わからない」事を書き出してみて、明確にできること、実はわかっていること、本当にわからないこと、に分類してみると、自分が思う以上に、実は対処法が分かっていて、明確になっていることがあることに気づきます。そして、まずはここから手を付けて行動してみると、「不安」が少し小さくなるようです。

次に、俯瞰してみること。これは誰かに不安な気持ちを話してみると、聞いてもらうだけで、なんとなく落ち着いてきて、なんだ、そんな簡単なことだったのか、と気づくことがあると思いますが、渦中の自分を俯瞰して捉えることで、対処法に気づいて安心できるのだと思います。

いずれにしても、怒りや、悲しみ、不安という感情を排除するのではなくて、受け止めて、分解して、小さくしてしまって、行動に移してしまうのが良いようです。何事も、始める前は不安で一杯ですが、いざ始めてみると、思ってたよりもスムーズに進んだり、簡単だったりすることがありますよね。仕事も、どうせ避けて通れないわけですし、自分以外の人間は変えられないのだから、諦めて、まず分解して、ちょっとづつ手を付けるのが良いのでしょう。そんな自分を、「大人になったものだ」と褒めて伸ばすことにして、明日もお仕事がんばりましょう。

 

2022年10月2日 読了