ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

藤井孝一『大人の週末起業』_感想

 

会社に勤めながら起業する「週末起業」

40歳を過ぎたくらいから、なんとなく将来のことが不安になってきますよね。今の仕事が自分に合ってたのかどうか、良くわからないけれど、長く勤めれば愛着も沸くし、それなりに面白みもあるし。でも一方で、もっと自分に向いていた分野があったのではないか、他に出来たことがあったのではないか、と思ったりもします。

本書は、そんなミドルの、不満はないけれど何か物足りない仕事ライフに一筋の光を指してくれるような、そんな内容になっています。

何か始めてみたいけれど、今の仕事はやめたくない方にピッタリの起業ハウツー本です。ただし、本書でお勧めしている起業は、いわゆるコンサルティングやアドバイザーなど、自分の本業や趣味の延長線上にあって、元手のいらないものが多いかな、という印象です。ニッチな分野を見つけられれば、もちろん簡単に起業できる方もいるのでしょうが、実際はそんなに上手くいくのかな、とも感じました。

それは、ともかくとして、会社にいながら、自力で稼ぐことができるということは、これからの長い人生において大きなメリットです。会社にしがみつかなくても生きていけるという心の余裕が生まれそうです。では、実際に起業を考える時のポイントはなんでしょうか。

小さく始める、無理しない

本書でお勧めしているのは、これまでの経験やキャリアを生かした小さな起業です。

例えば不動産関係の仕事についている方なら、不動産投資アドバイザーとか住まいの引っ越しプランナーとかですね。要は、今の仕事で得た知識やスキルを、誰かにアドバイスしたりコンサルティングしたりして売っていくというものです。

これなら、元手は自分自身の知識や経験ですし、パソコンがあればとりあえず始められそうですね。そんなわけで、まず起業の前提として、自分自身に誰かに売ることのできるノウハウがあるのかどうかを棚卸するところから始めます。これまでの仕事でやってきたことやライフイベントをどんどん書き出していきます。自分では大したことないと思っていた知識や技術も他の誰かから見たら特殊な場合もあるかもしれない、と著者は言います。まずは自分自身をリサーチして売れるものを見つけることが第1歩のようです。

そして、次に大切なことは、最初はお金をかけずに小さく始める、そして一人で始める、ということ。一人でお金をかけずに始めれば、少しやってみて上手くいかなければやめたり方向転換したりも可能です。

そして、無理はしないこと。会社に勤めているのであれば生活費の心配はありませんので、儲からなくてもそんなに気にはなりません。大人の週末起業のいいところは、このゆるさかもしれないですね。

いろんな肩書きを考えてみる

本書で、もう一つ面白いなと感じたのは、自分の棚卸をした後に、とにかく色々な肩書きを考えてみる、という点です。普通だったら、人に知識やノウハウを売るのであれば、その道のスペシャリストになってから起業するものだと考えるのですが、著者は、とにかく自分がちょっとでも出来そうなことや興味のある分野であれば、どんどん肩書きを作っていけばいいのだと言います。

あまりにもチャラいものはダメなようですが、〇〇アドバイザーとか△△アナリストとか、とにかく、そんな仕事あるの?という肩書きを自分に付けて、その分野の知識を増強していく。そして、まずはブログやSNSで発信してみることから始めて、少しずつ自分の名前と肩書きを売っていく、知り合いの相談に乗ってみたり、会社関係の人に話してみたり、最初はそんな感じで仕事を始めていくのが良いのでは、とのことでした。

ええっ、そんな感じで大丈夫なの?と思いますが、考えてみると「起業」というのは誰かが決めた仕事をするのではなく、自分が決めた仕事をすることが本来ですので、そうやって肩書きを作る=仕事を創るということが大切なのかもしれません。

さて、今日は土曜日。サラリーマンの週末ですね。

隣は何をする人ぞ?

 

2023年5月27日 読了