ROBOBO’s 読書記録

読んだ本の感想です。

上岡正明『自分のやりたいことを全部高速でかなえるメソッド 高速仕事術』_感想

 

インプット過多な私たち

いわゆる仕事のノウハウ本だと思って読み始めましたが、著者が伝えたいことは本当にシンプルで、おそらくどんな職業の方も納得して実践できることが書かれています。

まず、最初に思ったのは、私たちは随分とインプット過多になっているな、ということ。そうじゃない方もいらっしゃるかもしれませんが、何かを始めるときには、とりあえずネット検索する・動画を見る・人に聞く・資料を探す…それから少し情報を整理して、損得を考えたり、メリットやロスを考えたりして、結局は実行しなかったことの何と多いことでしょう。こうして失敗や時間のロスを避けているわけで、自己防衛としては意味があるようにも思いますが、どんなことも「まず、やってみる」ことが大切だと著者は言います。

高速で仕事を回すための何か特別な秘訣があるわけではなく、どんなことも、まずやってみて、失敗して、修正して、またやってみる、その繰り返しをいかに速く回すか、という方法がひたすら書かれています。

今は情報にあふれていますので、はじめの一歩を踏み出すのが、逆に難しくなっていると感じます。知識はたくさん、その分だけ心配や不安もたくさん。メンタルがよほどタフでないと、分かっていて敢えて失敗するということは難しいと思いますが、失敗から学ぶことの価値は計り知れませんね。転んだら起きればいいじゃん、と思えば気持ちも軽くなります。

トライ&エラーが認められる職場に

一方で、職場の環境も大切です。失敗から学ぶことで仕事を回していくには、まずはトライ&エラーが受け入れられる職場でないといけませんよね。常に思っているのですが、とにかく若い方たちには、少し難しいことに挑戦してほしいですし、上司には部下がやってみて出来なかったことや上手くいかなかったことがあっても、責めるのではなくて成長を促すように関わる技量が求められています。

前例のないことでもいいじゃない?考えるよりやってみたらいいんじゃない?

自分自身にも、自分の部下にも、そんな風に伝えているだろうかと少し反省してます。もちろん、取り返しのつかないような大きな失敗は避けないといけませんが、石橋も叩きすぎていては壊れてしまうし、時間がたてば腐ってしまいます。見切り発車が必要な時もあります。情報や知識に溢れすぎている今だからこそ、この感覚は大切だなと思いました。

一点集中のフォーカス力で

マルチタスクをしている方が、働いている感がありますが、実は効率が悪くて何も終了できないまま一日が終わってしまうこともよくありますよね。著者は、とにかく一つのことに集中して、まずはアウトプットを出してみることが重要だといいます。形にしてみて初めて気が付くことや見えてくる課題も多いものです。人間の頭のキャパなんてたかが知れてますので、とにかく外に出して見てみるのが良いようですね。知識も吸収したら放出するのが良いようです。こうやって読書の感想を書くのも、多分、良いと思います!

まだ自分が仕事を覚えたばかりのころに、寝ても覚めても仕事のことばかり考えていたことを思い出します。その仕事は少し大きな案件で、そのころの自分には手一杯で、今から思うとかなりのストレス要因でしたが、まさに寝ても覚めても集中していました。確かに、あの時に自分は成長したんだろうなと思います。

一点集中、ベテランになればなるほど雑念が多くなって難しいことですが、忘れないようにしたいと思います。逆に、本当に集中できる仕事に取り組めているのか、反省する必要もありそうです。

読後に、何故か仕事をしたくなってしまう不思議な本です。初心にかえって難しいことにチャレンジしてみようと前向きになれる良書でした。

 

2022年6月10日 読了